敬老学のススメ

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運命の対局(囲碁の記憶 その 4 最終回)

運命の対局(囲碁の記憶 その4 最終回)


あなたは、碁を打ちますか?

そう、美しい人に問われました。
わたしより少し背の高く、私より少し若い人でした。
知人の紹介で正月に会って、2月の出張を利用して二度目にあったときのことです。

美しい、というのは、そのときの、場所、光線、音、においなど全てを総合して、記憶をたどると、そのことばに行き着きました。

その人の父は、三十数年前に、母と結婚するために、母の父親の唯一の趣味である碁を覚え、母の実家に足しげく通い、そして、母を獲得したのだという話を、その人はしてくれました。



碁とは、白と黒の石をつかうゲームのことですね。
碁は打てます。しばらく打っていないけれど、碁は好きです。
と、答えました。話を続ける必要があると思い、すこしだけ嘘をつきました。
突然、碁のことを持ち出されたのでびっくりしました。




あなたのお父さんは、碁や将棋が好きなのですか?

いいえ、ゴルフのあと麻雀をしています。
碁は、そういうことがあったということを母からきいただけですが、父も、碁が打てるはずです。

子供の頃、碁を覚えたから、自転車や竹馬と同じように、思い出すはずだから私も碁は打てるはず、その人のお父さんも碁は打てるはずだと思いました。

碁の話は、その日はそれだけでした。

あなたのお父さんと碁を打たせてくださいというのは、もう少しだけ、覚悟を決めてから口にするべきだと考えたのです。

まだ、その人と会うようになって、二度目のことです。
29歳の正月に、知人の紹介で会い、その一ヵ月後のことでした。

そして、ぼくは、その人のお父さんと、相対することに決めました。
その人は、私に、父親と同じことをしてもらいたいのだと理解しました。
それには、碁でなくてはならない、彼女なりの理由があったのでしょう。

打てます、と答えたけれど、自転車でも、竹馬でも、二十年以上のっていなければ、転ぶでしょう。

私は、石を人差し指と中指で、綺麗に打つ練習を少ししました。

私は東京で勤めていましたから、九州に帰省し、次に、会うのは5月の連休です。3ヶ月間で、なんとか形にしなくてはなりません。

将棋も囲碁も、指の使い方は共通しています。久しぶりの石の感覚ですが、碁石遊びをした子供の頃を思い出しました。
社員寮にあって、誰も見向きもしなかった碁盤と、蚊取り線香の缶に入った薄い碁石で、趙さんの碁を並べました。

なぜ趙さんの碁か、というと、京子夫人を獲得するために北海道に通ったことを自伝で読んでいましたので、趙さんの碁を並べるのがもっとも相応しいだろうと考えたのです。

他に、藤沢秀行名誉棋聖の棋聖戦を第一期から第五期まで持っていましたが、並べるのは趙さんが良いと考えました。

父に裏切られたような気がして、碁石に触ることを止めた3歳の頃。
義父になるかもしれない人と、接点を作るために、碁石をつまむ練習をする29歳。

妻になるかもしれない人に、手紙を書きました。

5月の連休に、お父様と碁を打たせてください。と。

プロの碁を棋譜で見たり、テレビで見たりしていましたから、星目置けば、手談は成り立つと思いましたが、おそらく、置石なしの黒番ということになるだろうと予想していました。
F1レースのファンも、自分で運転すると車庫入れにも苦労するというのと同じで、手談を成り立たせるのに苦労するだろうなあとおもいました。



趙さんの「命がけで打つ」を、今手許で開いてみたら、何箇所が鉛筆で傍線が引かれていました。もちろん、引いたのはわたしです。本に線を引いたり、書き込んだりする習慣はありませんので、よほど、ここには、線を引かずにいられないという気持ちになったものと思います。

その気持ちを今は思い出すことが出来ませんが、傍線を引いた部分には共感します。

私なりに、命がけとは言わないまでも、相当につよい決意を固めて、碁石を握ったのだと思います。


5月、手談がはじまりました。そして、碁石を取り落とすこともなく、大きく破綻することなく、しかも碁に負けた私は、しばらくして高価な指輪を勝者の娘さんに進呈することになりました。


昭和61年夏

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