敬老学のススメ

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介護保険請求の裏と表

kaizuka3.jpg

実にモンスターな家族に非常に迷惑をしたことがあります。

この記事は8月に書いたものですが、読み直してみるともう少し整理したほうがよさそうに思えたので、書き直します。

学校、病院、老人ホームなどの、人を丸ごと預かるところには、いろんな関係者が出入りします。

そして、なかには、とんでもない家族もいます。




■人員基準3対1とは?


老人ホームの職員配置について、2.5対1以上とか3対1とカタログやホームページに記載されていますが、この数字の意味を間違って理解して、県の監督官庁に告発をした大騒動のことにちょっと触れてみようと思います。

たとえば、入居数54人の老人ホームで、介護職員3対1ということは、18人の介護職員がいるということです。この18人というのは、常勤換算ということでして、常に18人いるということではありません。

細かいところは端折って、ざっくりとせつめいするならば、18人の介護職員が、一日も休まずに、6人一組で8時間づつケアをするとしたら、常勤換算18人ということです。

そんな労働をしていたら労働基準法に違反しますし、第一生きていられないです。

だから、シフトを組んでチームで仕事に当たります。

そのとき、常勤に換算して18人以上になるようにしておけば、届出どおりであるということになります。

これを一ヶ月通しで計算して、県に届け出ている3対1以上になっていればいいということになっています。

いい、というのは、介護保険の請求をしていい、ということです。



これを理解していない家族が、父親を入居させて、その翌日に県に施設が告発されたことがあります。

「18人いることになっているが、どう見てもそんなにいない。」というのです。

「ホーム長に聞いたら夜は3人しかいない。絶対に人員基準に違反している悪徳施設である。」という実名の告発でした。

びっくりしました。
告発を受けた県の職員も、「こういうケースは初めてです、何か別にトラブルがありましたか?」ときかれました。

この利用者家族は、何事につけ、クレームをつける人でして、すぐに激昂する方でした。

数ヶ月入居していて、その後もっと経費の安い特養が決まったということで、もっと安い施設に移りましたが、その間に、

医療費がかかりすぎている
一杯100円のドリップコーヒーを10回もほんとうに飲んだのだろうか、施設の言いなりに払うのは納得がいかないといって払い渋りをされました。

それでいながら、施設の車椅子をかりていったまま一ヶ月も返さないんだから・・・・


みんなが眠っている夜勤のときに6人は多すぎます。3人で十分です。

逆に、掃除、食事介助、入浴介助、レクリエーションなどがいろいろと発生する日中は12人くらいいるようにしますし、ホーム長や事務員も手伝います。
大掛かりなレクリエーションをやるときには、本社から応援にも来てもらうこともあります。

また、週に二日くらいはヘルパーにも公休があります。
こういうことを勘案して、必要な時間帯には10人以上いるが、夜は2,3人にするというような、シフト表を作るのです。

結構難しいジグソーパズルのようなものだと思えてきます。

パートの女性職員が重要な戦力なのですが、どうしても家庭の事情で出勤できないということがあります。

特に多いのが、同居の親の急病と子供の急病ですね。

ところが、介護職員が急に辞めたり、長期に休んだりすると、人員にゆとりを持ってシフトを組んでいないところでは、すぐに3対1を切ってしまいます。

実態から言うと、人員配置にゆとりをもってシフトを組める施設って、存在しないと思います。


■人員配置の経費計算

一人ゆとりを持って配置する・・・・ということは、上の例でいうと常勤換算で19人。

日中平均10人で回しているのを11人にすると、確かに、サービスは行き届きやすくなりますが、そのためにかかる経費は、給与ベースで300万円。社会保険他をいれると全部で400万円増になります。

この増分を54人の利用者が負担するとなると、年間7万円。月額6千円の値上げになります。
お金の出所は、利用者か、介護保険しかないのです。

一人、配置を増やすからその分の介護保険給付を増やしてくれる・・・・わけが、ないですよ、ね。

月額利用料を20万円だったけれど、来月から六千円値上げさせてね、って言ったら、「ああ、構いませんよ」と言ってくれますか?

というわけで、各施設、ぎりぎりのところで、シフトを組んでいるわけです。


■人員基準を満たせなくなったらどうなるの

日中は、看護士、事務員、ホーム長、運転手も介護を手伝います。

二分の一とか三分の一の勤務時間を常勤換算の数字に繰り込んでいいことになっているので、計算に入れて、なんとか3対1におさまるようにやりくりします。

介護職員のなり手は非常に少なくなっています。

海外からの人材が注目されていますが、今直面している現場の人員不足を埋めるほどには、しばらくはならないと思います。

人員基準を割ってしまうと、どうなるのか。

運営面では、施設でのお世話が手薄になります。
そのために、残業が必要になります。

残業は割り増し賃金が発生するために、事業経営を圧迫します。しかも、パート職員は、パートを選ぶ生活上の理由があるわけですから、そうそう残業に応じられません。

残業や早出が恒常化しそうな職場からは、離れていきます。
離れるときには、その前に親しい人には「相談」をしますから、次々に辞めていく可能性があります。

同じような条件でパート雇用してくれる高齢者施設はごまんとありますから、よほど今の職場に愛着がある人以外は、移ります。

人員基準を割り込むと、介護保険の請求を自治体にすることもできなくなります。

売上月額二千万円の老人ホームで、介護保険の給付額がそのうち一千万円ですから、人員が、少し足りないという理由で、給付を受けられないのは、経営としては致命傷になります。


■介護保険請求の取り下げと返金

怖いこと、それは、介護保険の請求取り下げ、返金です。

老人ホームの売上の半分は、介護保険からのものです。
平均すると、一人あたり、二十万円が介護保険から支払われます。

54人の施設で言うと、約一千万円が介護保険。

これが、人員基準を割ると、請求できないんです。
それどころか、さかのぼって基準われしていたときの請求を取り消しさせていただいて、返金ということになります。

これは、事業存続に関わります。



しかし、一ヶ月だけは基準を割ってもいいことになっています。
特例です。

二ヶ月連続で割ってしまうと、まとめて返金することになっています。

これに該当して返金した事業者があるとは聞いたことがありません。

しかしながら、昨年大騒ぎになったところのように、確信犯的にやっているのではなく、急に辞められてこまってしまい、なかなかあつまらないので、どうしよう・・・・というのが大方の実態だと思います。

返金するということは、事業がなりたたなくなることとほとんどイコールです。

介護保険の請求をする以上、申請時の基準を割ったら請求できないというのは、理屈ではあります。

職員の募集はしているが、今、なり手がすくない介護業界、なかなか人員は揃いません。

そんなときに、最後の裏技は・・・・・本社や、他事業所からの応援というヤツです。


■他事業所からの応援ってどういうこと?

本社で請求事務をやっていたり、営業企画をやっている人たちも多くは介護の資格を持っています。そういう人たちが、シフトに入って、介護をすれば人員基準は満たします。

本当にやれば、ですね。

各社、そうやって、申請上のハードルはクリアしてますが、本当に、本社の請求担当が、シフトに入って、現場で食事介助、入浴介助しているんでしょうか?

していないと思います。

施設で介助をして、3時に上がって、本社に出社して、請求事務を残業して行い、残業代を請求せずにがんばる社員・・・・ありえないですね。

それをわかっていても、勤務表にサイン、押印があればそれで良しとする県の監査。

この、温情あふれるチェックは、ありがたいと思います。

そうでなくては、事業所閉鎖→行き場のない高齢者があふれます。


ただ、監督官庁に、「心証はクロ」すなわち、ケシカラン施設だと思われたら、精査すればかならず違反が発見できるはず。

ということは、介護事業者にたいして、生殺与奪の権を県の監督課が握っているということになります。

これは、高齢者の生活を丸ごと施設に預けている家族から見ても、恐ろしいことです。



介護保険という制度、それを運用する行政のさじ加減によって、弱いものいじめができるしくみに、メスを入れない限り、介護の世界から人は逃げていきます。

逃げていって、事業がなりたたなくなれば、介護保険を使う場所がなくなるからありがたい、ということを厚生労働省は本気で考えているのではないかと、思いたくなります。




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