敬老学のススメ

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誰もがかかる認知症

認知症などと、難しくいうから、特別なことのように思われるかもしれないが、年をとれば、だれにでも訪れる記憶障害のことです。年を取ると筋力が衰えるように、新しいことを記憶する力が衰えてきます。ただそれだけのこと。その進み方の程度によっては、自宅での生活が困難になることもありますが決して特別なことではないんです。

有料老人ホームの入居者は、ほとんどの人が、認知症と認定されます。ホームだと、職員は対応になれていますから問題はありませんが、在宅だと大変です。家族にとっては、初めてのけいけんでしょうから・・・・

まだ、70前で、認知症が進むと、体は結構元気で、しかも、若いときのことを思い出すから、ヘルパーを押さえ込んで暴行しようとしたり、自分のうちに帰ろうとしてすっかり様子の変わった街を歩き回ったり、日ごろからは考えられないようなことをしたりします。



わたしが、認知症の元気な方のことで、忘れられない事件がありました。この方、仮にKさんとしておきます。

Kさんは、警備保障の会社で定年を迎えた男性でした。
認知症が進み、自分の住んでいるところを、どうしても自分の家と認識できず、また、一緒に年をとってきた奥様を自分の妻と認識できなくなっていました。
Kさんの記憶の中には、渋谷の近くの狭い社宅で暮らしている自分と、若い奥様と、小さな娘さんが生きていました。
そして、50歳以降の記憶はほとんど欠落しているのです。

Kさんは何度も、自分の家に帰ろうとして、自宅を抜け出して、保護されています。
自分を外に出したがらない「鬼ババア(奥さんのこと)」に暴力を振るうようになり、私の施設に入居しました。

最初は、病院だと偽って、しばらくいてもらい、だんだん馴れてもらう作戦でした。
最初の頃は、奥様から同意書をいただいて、ベッドにくくりつけ、つよい睡眠剤や精神安定剤で暴れなくしていました。

このような、入居者の身体拘束については、老人福祉法と、厚生労働省、県の介護保険課などからあれこれと規定されていて、それはそれで、とても頓珍漢なこともありますが、それは、日を改めてお話させてもらいます。

Kさんがついに鍵を壊して施設を抜け出したのは、まだ寒い2月のことでした。

ダブルロックのアルミサッシで、プラスチックの蓋もついているものでしたが、蓋は壊され、シリンダー錠はピンのようなもので開錠されていました。

実は、それまで、私はKさんが警備保障会社に勤めていたことを知りませんでした。
わかってみればなるほど・・・です。鍵のことは、おそらく、仕事柄研究しており、それを思い出して実行に及んだのでしょう。

そして、Kさんが行った先はやはり渋谷の先の、30年以上前に住んでいた場所でした。
お金を持たずに、どうやってそこまで電車を何度も乗りついていったのかはわかりませんでしたが、無事にたどり着いたようです。怪我もしておらず、いつもの服装で18時間後に見つかりました。

現地に行っても、まったくその当時とは景色が違うわけですが、交番に行き所番地を述べて、探してもらっていたといいます。

Kさんが探していたのは、30年前の場所。
それはもうどこにもありません。
交番で保護されて、無事戻ってきましたが、なにか切なくなりました。
Kさんは、目的の場所に行くことが出来たのですが、目的の場所に、さがしているものが見つからず途方にくれたのです。

Kさんは、病院(本当は老人ホームだけど)では、とても紳士でお行儀がよく、たまに「鬼ババア」さんが会いにきても、嫌な顔をせず、並んで親しげに話をしていました。

認知症は記憶に障害があるだけなので、思い出せる昔のことを引っ張り出すのはとても楽しいことだといわれています。
奥様も、自分が若かったときのことを思い出しながら、Kさんとお話をするのは嫌ではなさそうでした。


昔の写真や、おもちゃ、お菓子などを見せて、いろんなことを思い出すという記憶回復訓練を「回想法」といいますが、これは、認知症がひどい人だけでなく、高齢者にとってはたのしい脳の刺激になります。

昔の年賀状、新聞の縮刷版、家族のアルバムなどで積極的に回想を楽しむようにしています。私は40歳をすぎたら、こういうことがとても楽しくなりました。

脳が少しずつ弱っていくのは、残念なことかもしれませんが、それをも楽しむことにすれば、結構脳は長持ちするとおもいます。
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| 認知症 | 16:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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